年少扶養親族の取扱い
11月も中旬に差し掛かり、年末の足音が聞こえてきましたね。
私たちの業界では、年末調整のご案内をさせていただく時期になりました。
そんななかで、近年質問の多かった16歳未満の扶養の取扱い、いわゆる「年少扶養親族」について触れたいと思います。
子ども手当(現在の「児童手当」)が導入されたことに伴い、その支給対象となる16歳未満の扶養親族については、扶養控除の対象外とされました。
これにより、「16歳未満の子供は扶養に入れることができないから、年末調整の書類に子供の名前を書いても無駄。」という少々誤った解釈が見受けられます。
実は、16歳未満のお子様の名前を扶養控除等申告書に記載しておけば、「住民税」が安くなる可能性があるのです。
みなさんが年末調整の際に記入している「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の一番下に16歳未満の扶養親族を書く欄がございます。
よく見ると、ここに「住民税に関する事項」という記載があるのが分かります。
実は、住民税には所得税にはない独自の「非課税枠」が存在するのです。
では、どんな人が対象になるのでしょうか?
以下のような人は住民税が非課税になります。
1.生活保護を受けている人
2.未成年者、障害者、寡婦、寡夫で前年の合計所得金額が125万円以下の人
3.前年の合計所得金額が「非課税限度額」以下の人
「非課税限度額」
・扶養親族がいない場合 35万円
・扶養親族がいる場合 35万円×(扶養親族数+1)+32万円
3の非課税限度額を計算する上での扶養親族数には、16歳未満の扶養親族も含めることができます。
例えば、扶養親族が1人の場合は
35万円×(1人+1)+32万円 = 102万円
となります。16歳未満の子供でも、扶養に入れれば、所得が102万以下(給与収入であれば171万5千円以下)の方は住民税がかからないことになります。
奥様がパートで働かれている場合などは、16歳未満の子供は奥様の方に扶養に入れた方が住民税が安くなるかもしれませんね。
ただし、くれぐれも夫婦両方の扶養に入れることがないようにお気をつけください。